・FXでプロスペクト理論が大事と言われる理由を知りたい方
・技術や知識の向上が利益につながっていないと感じている方
本記事のテーマ
FXトレーダーが克服すべきプロスペクト理論
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>
心理学や経済学の「プロスペクト理論」は、FXなどの投資の勝ち負けにも大きく関わると言われてます。
例えば、「損をしたくないからと“慎重すぎる取引”をしたことで負けが重なり、次にその損失を取り戻そうと“強引な取引”をしてしまい、さらに損失を広げた」という失敗はほとんどのトレーダーが経験済みだと思います。この心理状態こそ、まさにプロスペクト理論を指しています。
このようにプロスペクト理論は私たちトレーダーの負けの原因に大きく関わっており、FXで利益を上げるには克服しなければならない障壁なのです。
そこで今回はプロスペクト理論の正体から克服方法までを詳しく紹介していきます。
プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論とは「お金が絡む意思決定をするときに損失の度合いに応じて人の意思決定は変化する」という行動経済学の一種です。つまり、人間は「得する喜びより、損する痛みを避ける」特徴があるものなのです。
ダニエル・カーネマン氏とエイモス・ドベルスキー氏によって考案され、ダニエル・カーネマン氏はこの理論で2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。

人は常に「損したくないという心理」の上で意思決定をしている。それを理論で証明したものがプロスペクト理論。
実際にプロスペクト理論を肌で感じられる質問があるので、2つほどご紹介します。
プロスペクト理論を応用した質問①
- コインを投げて表が出たら200万円が手に入る。裏が出たら0円。
- コイン投げに参加しない場合、100万円が無条件で手に入る。
このコイントスゲームでは「1」を選択すれば200万円がもらえる可能性があるにも関わらず、100万円を無難にもらえる「2」を選ぶ人が圧倒的に多いとされています。
プロスペクト理論を応用した質問②
- コインを投げて表が出たら借金は全額免除。裏が出たら返済額は200万円のまま。
- コイン投げに参加しない場合、100万円減額されて返済額が100万円になる。
こちらの質問では「1」と答える人が圧倒的に多いそうです。質問①の理論からすれば「2」で確実に100万円をもらいたいという心理になるかと思えます。しかしすでに200万円の借金をしているためリスクを負ってでも「帳消しにしたい=損失をなくしたい」という心理が大きく働き「1」を選択することが多いそうです。
つまり、同じ100万でも、貰えるより失う方が、人々にとってショックが大きいということです。これがプロスペクト理論です。

FXで「利確を早めにしてしまう」「損切りはしたくない」という心理はプロスペクト理論によるもの!
プロスペクト理論を理解すると損失が関わる場合、人は根拠のある行動ではなく「損したくない」という損失回避を重視して意思決定をしていることが分かります。
FXでは常に損失を出す恐れがあるため、プロスペクト理論で考えたときに根拠のあるトレードではなく、常に損失回避だけを考えたトレードをしている可能性があると言えるでしょう。

通常は誰もがプロスペクト理論に従って行動をしてしまうけど、トレーダーはこれを克服しないとダメ
FX相場におけるプロスペクト理論とは
FXトレーダーの場合は「利益を早く確定させたい」「損切りをしたくない」という2つの行動心理がプロスペクト理論に基づくものです。
しかし、この行動心理は「利益が小さく損失が大きい(=利小損大)」という結果を導きます。この「利小損大」となる場面は、上の質問①と②で選ばれやすい回答と同じ心理状態です。
利小損大になる場面
- 大きく稼げる場面なのに早めに利確をしてしまう → 質問①
- マイナスなのに根拠もなく待ち続けてロスカットになる → 質問②

プロスペクト理論の「損失回避」に当てはまる行動だね…
「エントリー時に決めた指値まで値幅があっても利益を確保できた時点で利確してしまう」という行動は、「利益は確実に欲しい」という感情が先に働くというプロスペクト理論に当てはまります。
また、「エントリー時の思惑とは逆に動いて損失が膨らんでいても、損切りができないまま強制ロスカットになってしまう」という行動は、「損失を帳消しにしたい」という心理によるもので、それがベストではない判断を引き起こしたと言えます。
以上で、プロスペクト理論に囚われていると「利小損大」となってしまう理由をご理解いただけたかと思います。FXでは「利大損小」にしないと利益を残すことができません。

投資家は、どうすれば利益を最大化できるか、を常に考えるべき
プロスペクト理論を克服する3つの方法
ルールの明確化(利確と損切りポイントは変えない)
「利確ポイントはエントリーする前に決める」「損切りは根拠のある位置に入れる」などルールを明確化していけばプロスペクト理論はほぼ関係なくなります。
ルールを明確化するときの注意点
- 利確は損切りより2~3倍の位置に設定する
- 利確や損切りポイントは動かさない

FXで100%勝つのは不可能!プロトレーダーでも1/3の勝率ということを覚えておこう。
ルールを明確化しても利確が損切りの幅より短いと予測を当てても「利小損大」なので結果としてプロスペクト理論を克服できません。
プロでも勝率が1/3であることを考えれば3回に1回予測を当てるだけで利益を確保できるような利確ポイントと損切り設定をお勧めします。
また慣れないうちは損切りポイントに向かうと「損を確定させたくない」というプロスペクト理論ににより損切りを変更したくなります。しかし100%勝つことは不可能なので、あきらめて次のトレードに備えましょう。
トレードの検証をする
自分がしてきたトレードの検証を徹底して「なぜトレードをしたのか?」ということを説明できればプロスペクト理論を克服しやすくなります。
プロスペクト理論は「損したくない」という心理によって根拠なく意思決定をしてしまう状態なので、トレードした理由を論理的に説明できればプロスペクト理論とは関係なくトレードができてるという証明になります。

根拠のないトレードが損失を作っていることを知ろう!
で、検証する時のポイントは得意とする手法の1つに集中することです。1度手法を決めたらその手法の検証を徹底的に行いましょう。
検証を続けることでその手法に対する自信も増え、確実性も上がります。検証する手法をコロコロ変えることは利確や損切りの位置を変えてしまうことと同じで「損したくないから手法を変える」ということになります。
この場合もプロスペクト理論の「根拠のない意思決定」に当てはまるので、手法を変えるときも「なぜ変えるのか?」ということをある程度説明できるようにしましょう。
FXをやめてみる
FXをやめてみると自分を客観的に見ることができます。そのため今まで気づけなかった「負ける原因」に気づきやすくなります。
トレードを継続していると自分で思ってるよりもストレスが掛かります。そのため自分では冷静でいるつもりでも周りからみればおかしなトレードをしてるかもしれません。

言われてみると自分の思い込みだけでトレードをしてたかも…
「毎月〇〇円稼ぎたい」「損した分を取り返す」など少しでも思ってしまうと根拠のあるトレードはできないので、FXを少し中断して余計な自分と向き合う時間を作りましょう。
どうしてもプロスペクト理論を抜け出せないときは
サンクコストを受け入れる
サンクコストとは「事業に費やした資金や労力のうち撤退しても戻ってこない資金や労力のこと」で、経済学の中でよく使われています。
サンクコストが発生したときは「もったいない」という心理が働き冷静な判断ができなくなります。
サンクコストが発生するときの心理例
- ギャンブルで大金をつぎ込んだため引くに引けない
- 食べ放題で元を取るまで帰らない
ギャンブルで大金をつぎ込んだからと言って負けを取り返せるとは限りません。また食べ放題で食べすぎても体調が悪くなるだけです。つまり、FXでも損切りしないことでより状況を悪化させているとも言えます。

もったいない(=トレードを継続)と考えず、潔く撤退(=損切り)することで事業を継続できる!
損切りのメリットは下記で詳しく解説しています。
XMなら損失分がXMポイントで還元される
XMは1度のトレードに10分以上かければ、取引量に応じてXMポイントが貯まります。そのため他の海外FX会社でトレードするよりは損切りをしやすくなります。

全部ではなくても還元してもらえれば損切りしても良いかなって思えるかも!
負けると「資金と労力の無駄」と思ってしまうため損切りが遅れますが、XMであれば負けてもXMポイントが貯まるのでトレードが無駄になることはありません。
プロスペクト理論は人の心理なので簡単に変えることはできませんが、やり方や環境によっては「損したくない」「もったいない」と感じにくくさせることは可能なので試してみましょう。
XMポイントで上手に稼ぐ方法を以下の記事で紹介しています。