・政策金利とは何か?長期や短期金利の違いを知りたい方
・経済に大きな影響を与える政策金利をFXトレードに活かしたい方
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>
米中貿易戦争が再燃するなか、景気の見通しも不透明感が日に日に増してきており、中長期的な投資家からすると、金利の予想がしづらい環境となってきています。
私も最近は中長期のポジションを少し保有しているので、今回はスキャルピングから少し離れて、政策金利から考えるFXのトレード手法を考えてみたいと思います。
まず各国の政策金利というのは、簡単に説明すると「国のベースとなる金利」です。そして政策金利は短期金利のベースとなる金利です。
つまり政策金利の変動が、短期金利にすぐに反映することになります。
一方で長期金利は短期金利とは意味合いが違ってきます。
長期金利は<政策金利+期待インフレ率>というものが含まれており、期待インフレ率は言い換えると国の成長率を表していると言えます。
短期金利は上昇しても国の成長が見込めない場合、長期金利は上昇しないと言う動きになります。
相場を予測する上で大事なことは、政策金利の見通しを予想することです。
取引する通貨の国の成長が見込めない場合は、期待インフレも小さく政策金利の引き上げ見通しも出てこないことから、通貨は売られやすくなります。
政策金利はこのように短期金利と長期金利で影響が違うのですが、次に通貨と政策金利の関連性についてご説明したいと思います。
政策金利の変動は、通貨金利に直接的に反映します。
つまり政策金利を引き上げている、もしくは大きく引き上げていく見通しがある通貨については、ポジションを保有しておくことでこの国の金利が日々受けることができます。
そのため、政策金利は通貨の上下に大きく影響するため、外国為替をトレードする機関投資家は常に政策金利の見通しについて考え取引を行なっています。
FXを行うときに考慮すべきは
などです。
単純に政策金利が高いからその国の通貨が買われるわけではないことには注意しましょう。
教科書的には金利が高い国の通貨へ資金は流れると言われますが、厳密にいうと「政策金利が高く、政策金利の見通しも引き上げていく可能性が高い国の通貨」が買われやすいという言い方が正しいと言えます。
では、政策金利を意識してトレードするにはどのように行うべきなのでしょうか。
まず現在の状況を具体例にして考えてみましょう。
現在米国のファンダメンタルズは良好ですが、リーマンショック以降10年以上が経過し、景気の腰折れ懸念が高まっている状況にあり、米中貿易戦争をキッカケに株の下落が進行するのではないかと言う予想が出てきています。
一方、日本の景気を考えると株高ではあるものの、ファンダメンタルズが良好とは言えず、日銀の緩和路線は継続して、政策金利の上昇圧力も当分の間出てこなさそうな状況です。
つまりこの米国と日本で考えると、通貨ペアは「ドル円」で、日本がマイナス金利の状況下、米国は2%以上の政策金利が発生しており、かつファンダメンタルズが良好なことからドル円は安定した状況下では買われやすいという状況になります。
このトレードを行うことによって金利差から日々スワップポイントが発生し、その収入によって為替差損が発生したとしてもある程度軽減されると言えるでしょう。
政策金利の変動からの株の方向性は
貿易摩擦からみた金利の影響は
貿易摩擦からみたドルへの影響は
政策金利を意識する上で重要なことは、「政策金利の現状と見通しまで反映して通貨は動く」ということです。
単純に上記の例で言えばドルが買われて円が売られるという動きが続きそうにも見えますが、米中貿易摩擦をきっかけに米国株安が進行すると、FRBが現在の利上げスタンスから、利下げや緩和スタンスに視点を変更する可能性があります。
つまり、今まで買われていてポジションの傾いているドルが、ポジション調整のために売られる展開もあるということです。
この場合は短期金利よりも長期金利に低下圧力がかかり、ドルは10年ゾーン中心の金利で動きやすい環境のため、ドルに下落圧力がかかり、ドル円も下落する動きになる可能性があることは注意しないといけないでしょう。
政策金利の意識したトレードは大きなマクロ的な景気の見通しで投資をしているため、資産運用として使われている投資家が多く、初心者の方でも最初は行いやすい手法ですね。
見るポイントが大きな材料で取引を行うことから、その取引を手仕舞う時も大きな変化がない限り行わないためです。
頻繁にマーケットを見る必要もなく日々ニュースを追いかけながら大きなマクロ的に影響を及ぼすことがないかを考えつつ、経済の勉強を行いながらゆっくりとトレードが出来るため、初心者の方がまずはじめにFXという取引を行う場合、この政策金利を意識した中長期トレードも有効かと思います。